私が深見君と付き合いはじめたのは、去年のクリスマスのことだった。
深見君は同じ部署の後輩で、なんだかちゃらそうで、ぜんぜん恋愛対象なんかじゃなかった。それに私と君は、別の種類の人間だと思っていたし、深見君だってそう感じていると思っていた。
でもあの日、私のもとへやってきてくれた君は、紛れもなく、もう美しくなんかない結婚適齢期のシンデレラを迎えにきてくれた王子様だった。
*
窓の外では、塵のような雪がちらつきはじめていた。
「はー。なんで私、イブにまで仕事してるんだろ。てか、いつまで彼氏できないんだろ……」